二泊で川治温泉ツアー旅行へ行った。
平日とあって老人だらけ。
新宿発、上野経由で上野から乗った。
高速道路で、予定外にお客のトイレタイムをとるとのアナウンス。
70歳くらいのばーさんがパンク状態で路肩へ降りると、後からじーさんがついて行く。
もどかしくガバッとケツをまくると、これまたタイミングよくじーさんが傘をパッと目隠しに広げる。
あれれ?
透明のビニール傘、まる見えだ。
ワッと言うどよめきと溜息。
スッキリしたばーさんは、じーさんと手を取りニコニコ顔。
夕食は、大広間でそれぞれ膳をとる。
じーさんは食欲旺盛で、ばーさんの膳にまで箸を出す、二度もご飯のお代わりをする。
翌日の夕食は、さすがに仲居さんも心得、おひつごと置いていった。
三日目、午後3時出発とあって、昼食後、帰る前の温泉で混雑していた。
すると、女の声がする。
混浴ではないぞ。
よく見ると、あの石臼のようなお尻のばーさんだ。
じーさんと二人、浴衣姿、おまけにスリッパびしょびしょのまま。
洗い場を端から端まで点検、部屋のカギがないとの事で探している。
とうとう二人は浴槽を見定め、この中にあるはずだ。
温泉を抜こうと手に手をとって行動開始。
おい、全員風邪を引くぞ。
恰幅のいい年寄りが、とうとう切れた。
お前ら、フロントへ行け!
何も悪い事してないのに何で怒るのよ、とすごすご退散。
この分だと帰りのバスで何か起こるな、と期待していたが二人でゴーゴーといびきのハモリ。
息が合う、麗しき夫婦愛。
しかし、やはり事件は起きた。
上野へ着くとじーさんは、ここは自分の家ではない、自分の家は川治温泉だ、すぐに引き返せと言い寄る。
ばーさんは一泊しかしていない、もう一泊あるからすぐに引き返せ、と。
麗しき夫婦愛。
例のじーさんが再度切れた。
運転手の首根っこを捕まえ、こいつらここで降ろせ、と。
この二人今夜中に家へ帰れるか、鍵は?
素晴らしい映画のクライマックスシーンを時間切れで見られない感じで後ろ髪を引かれる。
終点、新宿まで行って結末を見たかった。
末期老人、語録より。
老夫婦、二人でボケれば、敵なしだ。
老夫婦、二人でボケれば、きみまろだ。
老夫婦、二人でボケればメルヘンだ。
老夫婦、二人でボケれば極楽だ。
