2026年3月18日水曜日

 1175 豊年際

 

黒島には、かなり古くから伝わる、豊年際の、ハーリー競争がある。

ハーリー競争は、中国や沖縄本島、石垣島や周りでも行われているが、この黒島の場合、かなり違った行事である。

船を漕ぐ競争だけでなく、ウーニーと呼ばれる、走り手、その競争が、かなりメインの役割をする。

写真は、ウーニーの姿で、ふんどしの部分は、肝心なところをやっと覆いつくすばかりで、ケツの方は、ぐるぐる巻きに束ねる。

割れ目に食い込み、下半身がむき出しの状態だ。

勿論、上半身もごらんの通り軽装で、このウーニーに選ばれることは、走りが早く、非常に名誉な事である。

最大の人気者だ。

ウーニーは、強い脛の意味で、健脚という事。そこにも英語が相通じる方言が、見え隠れする。

ウーニーは、村長から杯をいただき、腰くらい迄の所に待っている船に、砂浜、浅瀬を走り、飛び乗る。

そして船をこぎ、沖合にある旗をとって、Uターンする。

帰りは船にスピードが付いている為、深さ胸元くらいの所で、ウーニーは飛び降り、両手で水をかきながら、浅瀬、砂浜、そして、村長の所へ来て、タッチする。早い方が勝ちだという訳だ。

そういう意味では、ただ陸上で走りが早いだけではない。

水中をうまく、走るテクニック、方法が重要である。

また舳先に、ピーゾーと呼ばれる、棒高跳びの竿に匹敵する、竹のさおを付いて、漕ぎ手と、トウージーと呼ばれる、かじ取りと連携する。

返しの場合、ウーニーが、船からとび降りる合図をかじ取りが出す。

舳先のピーゾーと、かじ取りが強引に船を方向転換しないと、ウーニーは、船の下敷になる。

そのタイミングが、危険極まりない状態だが、その為に、漕ぎ手に指示を出し、ピーゾーに指示を出す。

飛び降りる瞬間をウーニーへ指示するのが、トウージーと呼ばれる、かじ取りの重要な役目だ。

また、Uターンをする時、旗を船に取り込まなければ、失格である。

かなりスピードが出ている船で、旗を取れる状態で、Uターンさせる。

50センチでも離れれば、旗が取り込めない。

そこが、トウジーの1番重要な役目だ。

前回、トウージーとトウジ(妻)の話をしたが、その辺に繋がりがあるようだ。

このウーニーハーリーの方式は、他には無く、日本国内ではこの黒島にしかない。

中国のハーリーにもない、なんでこの島にしかないのだろうか?

この島は、かなり古くから他には影響されない、独自の文化があったのではないかと、推測する原点である。

昔から南の島に伝わる、このウーニー、トライアスロンの原点ではないだろうか。

 1174 画

 


ウーニーを船の下敷きにさせないため、トウジーの怒号が飛ぶ。

(写真は大野隆志氏提供)

 1173 画

 


水中を走るには、熟練した技術が必要。


 1172 画

 


超人気者、ウーニー。

1171 偽ミンク

 

この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。

一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。

立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。

カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着ているのか。

ヤマトウ嫁が民宿をやると、大繁盛する。

料理や観光客の心を理解出来る為だろう、と古老が呟いた。

20年も前だが、20才前後の女が島へ来、島男とどうしても結婚がしたい、男を紹介して欲しいと頼み回ったそうだ。

十人並みの容姿で問題ないが、何かいわくがあるのか? 

頭がおかしいのか、と誰も相手にしなかったそうだ。

最近、ヤマトウ嫁が活き活きと活躍する姿を見、あの娘は20年先の今を見通していたのでは、決して頭が可笑しかったのではない。

あの娘が民宿をやっていれば、今頃は島一番の民宿になっていただろう。

島として大きな損失だった、としみじみ呟いた。

ひかる! 今からでも遅くない。

島には40代、50代のチョンガーがいる、その娘を探して来い、と。

お~い!! 心当たりの人、いるか?

足腰は弱っているが、最後の力を搾り、島ジーが一肌でも二肌でも脱ぐ、と言っているぞ!

今一度、島ジーの所へ行ってくれ!

1170 垂れ垂れオッパイ

  

島のじいさんと飲んでいたら、今の女のオッパイは、成っていない、あの格好は何んだ、と怒っている。

猥談でも始まるのかと思うと、真面目な話のようだ。

昔の女は、オッパイを長く長く伸ばす訓練をしていたんだぞ。

子供を背負い、オッパイを欲しがったら肩へちょこんと乗っけ、子供にオッパイを飲ます。

その間、手仕事が出来る。いちいち抱いていたら、乳を飲ませる時間が無駄になる、乳の垂れ具合で、働き者のいい嫁か、決まったと言う。

おかしな話もあるもんだと、聞いていると、隣に60代のおばちゃんがいて、この話は本当かも知れない。

亡くなった母は、本当にオッパイが垂れ下がって、肩にのっけられるくらいの長さだったという。

そう言われてみると、この話本当なのかなー?

アフリカの原住民の女性のオッパイがかなり垂れ下がっているが、もしかして、この話のとおり延ばし延ばしたのかな。

ある日、90を過ぎたおばあちゃんに、どうしたらオッパイを長々と延ばせるのか、と聞いてみた。

そのばあちゃんは、にっこり笑って、「あんた! 私に惚れたね! 久しく絶えていたが、今夜はいいよ!」とにじり寄って来た。

おい!、ばあちゃん勘違いするなよ!

90を過ぎ、三途の川へ片足つっこんだ、ばあちゃんに乗ったら、オレはギネスブックに載るよ。

最中に、いく~、いく~、と逝かれたらブタバコ行きだ!

くわばら・・くわばら・・

とりあえず、快楽どころか、葬式の事が頭をかすめ、逃げ帰って来た。


1169 献杯

  

女房一族のドンが亡くなった時、献杯の音頭は、ひかるしかいないと、音頭を取らされる信頼、急変ぶりである。

勿論、ひかるは必死に働きマイホームを構えていたが、女房の親が年を取り、足元もおぼつなかったので、親の面倒は子供が見るべし、と嫌がる女房を説得し、同居に踏み切っていたのである。

塩を撒いたはずの男が、今や心から信頼出来る婿として同居する。

安心した親は、都心の一等地と建物を遺言で女房に譲って、あの世へ旅立って行ったのである。

ひかるは常々女房に言っていた。

お金は、生きる為の道具、幸せに成る為の小道具に過ぎない。

金の亡者となり、金の奴隷と化すべきではない。

貧しくても、心豊かに、優雅に生きられる方法がある、と言って、つつましく生きて来たのである。

女房も財産が転がり込んだからとて、ブランド品を買いあさる訳ではなし、孫たちの成長をいつくしみ、楽しんでいる。

孫はかわいい、ジジ、ババとマクドナルドへ行くのが、一番の楽しみのようで、ハンバーグをほおばる横顔を見ていると、毎日が楽しい。

一緒に風呂に入り、ジジ、ババの買ってくれたパジャマだ、と言ってウルトラマンのパジャマを着、ウルトラマンのパンツを着て、フトンへ潜り込んでくる。

スヤスヤ寝息を立てる横顔を見ると、幸せの極地である。

片や学は、昼間は掃除、炊事洗濯など、お手伝いにやってもらえるかも知れないが、夜は一人でチクチク痛む肝臓をさすり、不安な日々。

寝ても覚めても頭の中は、札束が飛び交っている。

布団に入って、横に寝るのは猫だ。

夢枕には、金の延べ棒で出来た階段を、一歩一歩上がっているだろう。

一歩一歩、あの世へ近ずいているんだぞ!!

これから先、この男の頭は正常化するのだろうか。

少子化の影響なのか、親の遺産を当てに、フリーターを誇らしげに自慢する人に出会う。

冒頭に出会った、文京区の青年は、最たるもので、ひかるから見ると、己の人生を無駄にする、許せない輩で、怒り心頭だ。

おい! めん玉ひんむいて、よく見ろ!

土手の川風を涼やかに受け、夫婦が孫二人と手をとり、心豊かに優雅に散策している。

対岸には、男がリュックサックに札束を詰め、周りをキョロキョロ警戒しながら歩いている。

後からは、悪しからぬ輩がなんとかリュックサックの中身を、少しでも掠め取りたいと見え隠れして狙っている。

しかし男は屈強な恐ろしい犬、三匹に引っ張られ、一生懸命犬の糞を処理している。

貴方は、この二つの姿を見、どの道を選ぶのか、本気で考えて見ろ!

貴方の鼓動、今の一鼓は、もう後戻りしない。

のんびりしている場合ではない。

貴方は今、一刻一刻、白髪、シワ、禿げの世界へ、一歩一歩近づいているんだぞ!

もう一度、めん玉ひんむいて、土手を見ろ!

そして、胸に手を当て、己の鼓動と、冷静に会話しろ!

まさかお前の両親は、お前を犬の糞拾いにこの世へ誕生させた訳ではあるまい。

 人生の 喜怒哀楽に ロマンあり

 若者よ 思い残すな 明日は華

 貴方には 誰にも盗られない 知恵がある

 貴方には 誰にも止められない 鼓動がある

 これしかない!

 己の人生ドラ マロマンを持て!

 そして

 命を張れ!

 命を張れ!

 1175 豊年際

  黒島には、かなり古くから伝わる、豊年際の、ハーリー競争がある。 ハーリー競争は、中国や沖縄本島、石垣島や周りでも行われているが、この黒島の場合、かなり違った行事である。 船を漕ぐ競争だけでなく、ウーニーと呼ばれる、走り手、その競争が、かなりメインの役割をする。 写真は、ウーニ...