2025年7月19日土曜日

1074 恋

 

毎日が、ひもじい思いをし、泥棒走りをしていた二十歳。

この世にこれ以上いないかと思われる、美しい女性に、バイト先で出会いました。

声をかけるにも気が小さく、沖縄生まれだと言う、多少の劣等感もあり、ひたすら胸をときめかすのみ。

ある日、まさかと思われる、一大事発生。

その女性が、食欲がないので、自分のお弁当を食べて欲しい、と持って来たのです。

鮭と卵焼きだけのお弁当でしたが、まさかと思われる、好きな女性。

手作りの弁当かと思うと、美味しいの、どうのと言っている場合ではありません。

そして、彼女が目の前で見ているのです。

全身パニック!

世の中バラ色、生まれて最高に甘い食べ物に出会いました。

このままずーっといつまでも一緒にいたい・・・

弁当の味が忘れられず、恋が芽生え、一気に炎と燃え出し、この女性なしに人生はあり得ないと思うようになったのです。

男の恋、一度燃え出したら、止めようがありません。

体を張っての獲得作戦へと展開。

しかし相手は、生まれも育ちも東京両国で、垢ぬけた生粋の江戸っ子。

田舎っぺの取れない三度笠の似合う男には、とても無理かと思われましたが、「命に賭けても、幸せにしてみせる、この気持ちは世界中を探しても、私以上の男はいないはずだ!」 

結婚してくれと、猛うアタック!

一途な気持ちが伝わり、結婚に同意してくれたのです。

やったー!!、

男の情熱、何事か成らざらん!!

天の神、山の神、地の神、海の神、地上の全ての神々を招待し、どんちゃん騒ぎをしたくなったのも当然。

あまりの嬉しさに、気が狂ってしまうのではないか、と自分自身がわからなくなりました。

しかし、暗転、これからが一大事件。

1073 食糧戦争

 

人類は間違いなく、100億に達しており、カラスとの食糧戦争は回避しがたい事でしょう。

都市部では、身近に感じられない事ですが、農村部や温暖な国では、すでにカラスとの食糧戦争が始まっています。

果たして、人類は勝てるのだろうか?

カラスは、人家に近い所に棲んでおり、核や化学兵器は使えず、戦車を出動させたとしても、一羽打ち落とされれば危険を察知し、戦車よりも早く、自由に空を飛び、山や川、海を越え、国境を破り、逃亡。

人類の一点攻撃型兵器は、通用しません。

例え、二、三万羽打ち落とされたとしても、毎年増える数からして、彼らにとっては平気な数。

もしひかるが、カラスの大統領に就任したならば、人類との食糧戦争は、大勝利を収める事でしょう。

一万羽単位で、カラスの編隊を組み、地球上の各ゴルフ場へ基地として集結させ、上空300メートルから、ホールを狙って、小石を落下させる訓練をします。

ゴルフボールは、訓練用に使う為、必然的にゴルフ場は、カラスの軍事基地と化し、手始めに、一万羽のカラスに、其々300グラムの小石を持たせ、猛スピードで走る、新幹線の線路へ一万個の小石を落下させ、波状攻撃。

新幹線は、小石の山に脱線し、多数の死傷者が出、世界的なニュースになる事でしょう。

滑走路や高速道路、至る所で、小石の攻撃を行う為、人間は恐怖のあまり、新幹線、飛行機、車を利用しなくなるでしょう。

線路の小石は拾って何回でも使用。

軍事開発費はいらず、即座に実行出来、路上の人や民家にも一万個単位で、小石の雨を降らせます。

屋根やガラスは割れ、ライフル銃で撃ち落とすにも、300メートル上空までは届かず、特に黒いカラスの夜襲は、効果覿面。

手が付けられません。

農家へは大事な食糧確保の為攻撃せず、人間をカラスの奴隷にするのです。

カラスを「烏合の衆」、と馬鹿にしていた人間共が、逆に、烏合の衆、と呼ばれる羽目になります。

カラスの大統領は、作戦本部を移動し、世界各地の戦況を悠々と視察旅行。

各国首脳は、連日の応戦会議で、精根尽き果てる事でしょう。

強力な軍事力で、地球の保安官を自認するアメリカ大統領が、茹で上がりのタコ顔で、目ん玉飛び出させ、「カラスの野郎!、ブッ殺してやる!」、と喚き散らす、じだんだ姿が目に浮かびます。

カラスの大統領は、カッカラカ、カッカラカ、と高笑い、見下げる事でしょう。

飛べない人間、国境、人種問題を抱える人間が、カラスに勝つ事は、容易ではありません。

カラスは、すでに貝類を上空より落下させて割り、中身を食べる戦術を習得済。

人間を共通の敵と認知した場合、高速道路を走る車に、小石を落下し、一台でも事故を起こさせ、殺せる事が分かると、全カラスに伝達され行動を開始。

カラスには国境がない為、国際的な問題解決策が必要。

国際会議の開催を提案します。

ヒッチコックの映画が、現実のものにならない事を切望しよう・・・

 今すぐに、開発しよう、カラスピル!


1072 カラスの大統領

 

カラスの行動を観察すると、見事な連携プレー、編隊行動をとっている事が、分かります。

ニワトリのヒナを狙う時、一羽は見張り役。

もう一羽は、ケンカを仕掛ける役。

残りの一羽は、ヒナを奪う役目で、三羽での連携プレー。

親鳥が、ケンカを仕掛けられ、一羽のカラスに向かって行き、ヒナ鳥は、親の泣き声、様子に、危険が迫った事を感じ、オロオロ逃げ回るだけ。

奪う役目のカラスは、空から急降下し、逃げ回るヒナ鳥を事もなげに持ち去ります。

この行動を三度繰り返す事により、平等にヒナを確保。

雑食性で、食欲旺盛なカラスに、殆んどの鳥類は、木の実や虫、卵やヒナ等をことごとく持って行かれ、その悪知恵には、とても追いて行けません。

小学生の頃、ひかるはカラスに弁当を取り上げられ、仕返しに卵を取ってやろうと、カラスの巣へ近付くと、何時どうやって呼び寄せたのか、数百羽のカラスが、上空に飛来し、編隊行動。

カラスは、巣を高い所に作る為、木の上で、本気に襲れたのでは、ひとたまりもありません。

事実、数十羽のカラスは、二メートル圏内に接近し、羽を広げて、黒い口ばしを目いっぱい開け、赤口での威嚇合唱。卵を取れば、即座に攻撃出来る臨戦態勢、恐怖を感じ逃げ帰りました。

何んで自分の卵でもないのに、他のカラスが集団攻撃行動に出るのか?

攻撃態勢のカラスは、血族なのか、それとも種族を守る為、安全保障条約を結んでいるのだろうか?

昨今、自然界の生態バランスが崩れ、人間が原因のように見られていますが、問題はカラスに有るのではないだろうか。

他の動物が減少する中、カラスには殆んど天敵がいない為、繁殖の一途です。東京の空も既に制覇され、神宮の森は、絶好の棲家として、他の鳥は、黒い軍団の恐怖に近付けません。

現在、地球上に、十億のカラスがいるとし、10年間で倍増すると、想定した場合、50年先には、320億の数に大繁殖。


1071 画 カラス

 


カラスの大統領。

2025年7月18日金曜日

 1070 夫婦喧嘩

 

また、沖縄のおみやげ店で目に付くのか、100歳にもなるかと思われる、シワシワだらけの、歯っ欠け老夫婦のお面でしょう。

この老夫婦面、実は、夫婦和合の、不思議な力が秘められている面だという事は、あまり知られておりません。

夫婦喧嘩は、どこでもあるかと思いますが、口もきかず、冷戦状態が続いた後でも、このシワシワだらけの、歯っ欠け老夫婦のお面を見ると、思わず吹き出してしまい、些細な事での夫婦喧嘩が馬鹿馬鹿しくなり、仲直りするとの事。

また、このお面をかぶっての、老夫婦の面踊りは最高です。

おじいちゃんは若い時、人一倍スケベーだったとの事。

腰も立たなくなった今、おばあちゃんが、「私のこと、好いとるか・・」と色っぽく迫り、もじもじし・・「おばあちゃんは、世界で一番美しい・・昔も今も一番好いとるぞー」と答えると、「よくも、焼きもちを妬かせてくれたもんだ・・」、とつねり、100歳もの老夫婦が、這いずり、顔を赤らめ、新婚初夜を思わせる仕草は、腰が抜ける程笑わせてくれます。

お祭りや結婚式などに舞れ、舞台上では決してお面を取らず、どの夫婦が舞ったのか、演者当ても場を盛り上げます。

夫婦の機微、和合を楽しませる踊り、一度は世の夫婦に見せたい踊りです。

また、この面踊り、忘年会や結婚式に踊ると、大受けする事間違いなし。

お面を新婚祝いに送ると喜ばれる事、受けあいです。

このお面は「ヤマシキのアブジヤーマー」、と呼ばれ、山崎村のおじいちゃんおばあちゃん、と言う意味で、この山崎村、今は廃村ですが、昔黒島にあった村で、歯っ欠けお面の発祥地です。

知念家では代々、高砂のお面、として大事に祭られております。

ひかると言う男の脳内プログラム、生い立ちの影響なのか、引く事、後退するという事が、考えられないのである。

前記した通り、12ミリ、いや、12カ月、80センチのスケール上で人生を考えるので、後退という事はあり得ないのである。

勿論、後悔するという事も殆んどない。

そして後輩達には、「俺は、背中に断崖絶壁、崖を背負っている、振り向けば、目まいでまっ逆さま、木っ端微塵。だから、振り向く事もしない。常に進む以外はない。嵐が来れば、四つん這いになり、更に激しくなれば、腹這う、そしてミミズとなって、這いずってでも、前へ進む」

人生とは、そういうものだ、と説くのである。

「生半可でない、常に極限の生き方を求めろ!」と。

1069 画 面踊り

 


ジジババ面踊り。

1068 パーイ

 

日本人のルーツは、南方説、北方説、中国説と、色々議論されていますが、南端の黒島では、南方説を裏付ける、珍しい方言が残っています。

例えば、農耕に使うクワの呼び方ですが、島では、「パーイ」と呼びます。

言語学者によると、ペルーの山奥の原住民が、同じ「パーイ」と、呼ぶとの事。

どうしてこのような事が起きるのか、学者自身も不思議がっていました。

一説によると、ペルーやミクロネシア諸島等、赤道付近の島から、黒潮により言葉や生活様式が、運ばれたのではないか、と言われています。

更に不思議な事に、島では、足の事を食べるパンと同じ、パンと発音します。

もしかすると、南の島で、足の事を、パンと呼ぶ所が、あるのではないだろうか。

個人的な推測ですが、食べるパンの語源が、どこから来たのかは分かりませんが、その昔、小麦粉を足で踏みこね、発酵させたか、麦踏の足に関係しているのではないだろうか。

そして、足の事を、パンと呼ぶので、この食べ物をパンと、名付けたのではないかと、大胆な推測をしていました。

この地区は、島により多少方言の違いはありますが、黒島では殆んど「パ、ピ、プ、ペ、ポ」「ガ、ギ、グ、ゲ、ゴ」等の発音だらけで、日本の五十音の発音だけで構成される言葉は、あまり見当りません。

私を方言で言うと「バー」、太陽が「ティダ」、鎌が「ガッキ」、笛が「ピーラキ」、太るが「パンタル」、逃げるが「ピンギル」、てんぷらが「パンビン」等、載げれば限がなく、日本にそのような言葉があるのだろうか、と疑いたくなりますが、紛れもない事実。

何んの因果か、ハブの事も「パン」と呼び、足、ハブ、パンを方言で言うと、パン、パン、パンになり、てんぷら、太る、逃げるが、「パンビン、パンタル、ピンギル」。

最近、南の国から輸入される果物等の呼び方を聞くと、アボガド、パパイヤ、マンゴウ、パイン等、島の方言にゴロ合いが、ぴったり合う発音に驚かされ、少なくとも日本の南端地区では、南方説を裏付ける現象がみられます。

また、「ようこそいらっしゃいませ」という、歓迎の言葉を「オーリ、トーリ」 と表現。

石垣島の商店街のアーケードに、この言葉が大きく、「おーり とーり」と掲げられています。

しかし、ほとんどの観光客は、「おーり 通り」と通り名を連想。

通りとは全く別な場所で、歓迎の「ようこそ、いらっしゃいませ」、「おーり とーり」の立て看板に出会うと、初めて疑問を感じ、正しい解釈をするようになります。

おかしな事に、石垣島の人通りの一番多い交差点に、カニウマの二人乗りは、やめましょうと、大きな立て看板。

本土の人は、蟹のように、横歩きをする、珍馬がいるのかと、興味をそそられますが、実は、カニウマの二人乗りとは、自転車の二人乗りの事で、

自転車の事を、カニウマ と言うのです。

金馬(カネウマ)が訛ってカニウマ??

本土のチャリンコ、いかにも可愛らしい呼び方だと感心させられられましたが、石垣島のカニウマは、ユニークな情緒のある呼び方ではないだろうか。

他にも面白い方言があります。

例えば、昔を方言で言うと、「パ~ンティ」と言います。

高校時代、物語を方言で発表しようという事で、昔々、というくだりを、いきなり「パ~ンティー、パンティ・・・」 と切り出すと、女生徒がキャーと大笑い。

パンティーと解釈され、爆笑の内に物語は終わりました。


1171 偽ミンク

  この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。 一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。 立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。 カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着ているのか。 ヤマトウ嫁が民宿をや...