2025年7月29日火曜日

 1142 大量出土

 

この島で、妙な貝が、大量に出土した。巻貝ではあるが、大きさがサザエの数倍あり、ホラガイとはまた違う、形そのものは、サザエオバケみたいな貝だ。

ところがその貝には、どうしても人工的としか思えない、穴が一つ空いている。

この貝はひかるが子供の頃、60年前には一度も見たことがない。

古老に聞くと、自分もその貝を見たことも、食した事もないという。

しかし、大量に出土したということは、100年、いや200年前、この貝はこの島の周りに、大量にいたと思われる。

シャコ貝と同じぐらいの出土量があるから、かなり生息していたと思われる。

シャコ貝は60年前、足の踏み場もないくらいリーフやリーフの上にはおり、この貝だけは誰も見たことがない。

疑問は、人工的に開けられたと思われる穴だ。

穴のことを古老に聞くと、話には聞いたことがある。

貝に穴を開け、石にゆわえ付け、海中に放牧?していたという。

目の前は太平洋、魚介類はいくらでも採れるのに、恐るべし、いにしえのこの島人は養殖方式を採用していたのだ。小さな貝はなくほとんど大きさが統一されている。

昔は、電気や冷蔵庫もなかったので、祝い事や大事なお客をもてなすとき、放牧?していた、貝をとって来、目の前で、新鮮な料理でもてなしたという。

なるほど、と感心した。

いにしえの島の人たちは、海で貝を放牧?し、必要な時に必要な量、新鮮な料理をし、心豊かに味わっていたのだな。

私も閃いた。

今度は、シャコ貝に、ドリルで穴を開け、テグスで石にゆわえ、必要な時だけ、新鮮なシャコ貝を食べよう。

南の島、夕陽を眺め、新鮮なシャコ貝、貝柱、泡盛を片手に、至福の時間だ !

調べたら、この貝は学名、夜光貝で、太古の昔、中国王朝の漆器などに使われ、とんでもない高価で取引されていたと言う。

古老の話によると、昔、東南アジアや中国と直接交易し、アンナ村跡はベトナムのアンナンからの移住者村で、方言はベトナムとリンクしている、との事だが、本当かな?

島に人口が溢れ、繁栄していたと言う事は、マルコポーロの東方見聞録、黄金島、ジバングはこの島の事かな?

ロマン溢れる、ミステリー島だ!

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