2025年7月31日木曜日

1155 北海道のおばちゃん

  

島の民宿では夕食後、泡盛がただで振舞われる。

中庭の大きなテーブルで、星空を眺めながら、お互い自己紹介をし観光客は談笑。

ふらりとその輪の中へ入っていくと、島の人だという事で話を聞きたく、周りに集まってくる。

北海道から来たという、60歳過ぎのおばちゃんが、早速、隣へ割り込んできた。

きれいな星空、空気がおいしい、生まれて初めての体験だと、かなりハイになっている。

こんな素晴らしい島で生活出来たらいい。なんとか移住したいので、土地を譲ってくれる人はいないか、との相談だ。

出来ない事はないと言うと積極的に色々な質問をしてきた。

話の内容から、かなり融通の利かない教員か公務員上がりのガチガチな堅物の類、箱入りババーだ。

こんな人に土地を分ければ、住民と間違いなく争いを起こす。

島の人達はテーゲーグワーで、いい加減と言うかあまり小さな事にはこだわらず、のんびり生活をしている。

島人と争いをお越し、後々嫌な思いをするので、この人の相談にだけは乗らないようにしようと心に決めていた。

その内、ひょんな質問をしてきた。

この島に、蜘蛛はいるのですか?・・

はぁー? と思わず聞き返す。

蜘蛛はいっぱいいるし、毒は持ってないが森へ行くと大きなやつもいるよ、と言うと、ギヤアーと血相変えた。

蜘蛛は嫌いどころか糸が体に触れただけで蕁麻疹が出来ると言う。

民宿のベランダでも糸を張っているし、島を散策すると間違いなく糸に触れるよ、と言うと顔面蒼白、わざと嫌がる事を言って脅かしているのではないかと、毛嫌いするというか嫌悪感あらわに出し、睨み付けている。

芯から蜘蛛が嫌いで、アレルギーのようだ。

隣にいるのも嫌になっただろうか、席を移していった。

その話を聞いていた他の観光客が、そのおばちゃんを説得。

日本全国蜘蛛のいない所はない。あなたは、まかり間違っても田舎暮しなど、考えないほうがいいと言われ、渋々納得したようだ。

このおばちゃん、島で連泊するつもりだったらしいが、翌日、早々に引き払ったと言う。

次は西表島観光だと言っていた。あの島は、毒はないが、大きな蜘蛛がもっといっぱいいる。

デッカイ蜘蛛が首に貼り付き、アワを吹き吹き、失神する姿、目に目えるわ・・

その人は北海道だと言う。

おーい北海道~  蜘蛛いないか??

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