ハート島。
2026年4月26日日曜日
f1191 真っ赤っか
とうとう夜這いに移っていたのである。 先輩が伝授していた通り、身をかがめ、こっそり家の裏へまわる。 そして、物音一つしないよう、明子の寝ている裏座の戸ををやっと入れるくらいの隙間で開ける。 島の家の造りは、一番座、二番座があり、必ずと言っていい程その裏に裏座がある。そしてその裏座は又、必ずと言っていいくらい外へ出入り出来る構造になっている。 初めての夜這いで、昭二の胸は高鳴り、破裂しそうである。 しばらく目を暗闇に慣らす為、じっとうずくまっていると、なんと明子は大胆なポーズで寝ている。 その姿を見た瞬間、昭二の頭は真っ赤っか。全ての思考力はすっ飛んでいた。 昭二は夕方森で出会い、今夜自分が夜這いに来る事を予測し、待っていてくれたのではないか、と思われるポーズ、ぶるぶる身震いしながら少しずつ近づいていった。 その時、襖が五センチ程そっと開いたのであるが、人生最高調、絶好調に興奮し捲くっている昭二は、まったく気がつくはずがない。 ふっくらと盛り上がった明子の乳房へ手がかかる瞬間。 予告無し、稲妻なしの突然の落雷! 「こらあー!! 」と親父の怒鳴り声、天井がスピーカーのコーンとなり爆音が部屋中に響き渡ったのだ。 昭二はそれこそ、失神しかねない驚きだが、抜けた腰でも、とにかく逃げた。 隙間にしこたまぶつけたが、抜け出し、東から回って逃げようとすると、親父が先周りし、泥棒、泥棒、と言って、通せんぼ。 身をひる返し、西側から逃げようとすると、今度は母親が、棒を振りかざし、泥棒、泥棒と叫び、はさみ打ちになってしまった。 しからば、石垣をよじ登って逃げようと飛びついたが、酔いがまわっていたのか、すんでのところ、石垣の上で親父にズボンの裾を捕まれてしまった。 ヤモリなら尻尾を切って逃げるが、へばりついたまま、母親はコン棒振りかざし、恐ろしい形相で、事あらば、と一撃態勢、身動き出来ない状態。 後手にねじ上げられ、家の中に引きずり込まれた。 そして両手を後手に、柱に縛りつけられてしまったのだ。 普通なら説教をし、誤れば解き放つのだが、かわいい一人娘を狙ったにっくき男、親父は気がすまない。 夜が明けると、村中の人に「大泥棒を捕まえたから、顔を見てやってくれ」と、振れ回ったのだ。 隣村からも見物に来、秀雄や久雄などまでがドジしやがったなとニタニタ見物、これ程の屈辱は無い、という晒し者。 親が謝り解き放たれたが、昭二は外にも出ずこもりっ切りだ。 自殺しかねない、見るに見かね、次男の昭二は島からこっそり逃げるように出る、勿論行き先もなく着の身着のまま見送る人も無い。 以後の行方は親兄弟、誰一人とて知る人はない。 あれ程明るかった明子は、以来ふさぎ込んでしまった。 中学生の頃はテニスに打ち込み、地区代表として県大会まで出る程の腕前。 みんなの人気者だった。 それがまた親父の誇りだった。
f1187 くっ付けろ
島の方言で、くっ付ける、は「しびしきる」だ。 しび、はお尻だ。 しきる、はくっ付けろだ。 彼と彼女を、しびしきれ!、は「くっ付けろ」と言う事で、お尻をくっ付けさせろ、と言う事だ。 人間の親しくなる関係、くっ付く関係、同胞関係をお尻で表現する所あるかな? あれれ! テレビでお尻をプリンプリン、クレヨンシンちゃんなんて、漫画があるな・・ 作者は黒島で発想したのかな・・ 世間では、握手をしたり、抱擁や頬をくっ付けたりするが、お尻プリンプリン、ペッタンコ! 島は人口二百数十人、しかも年寄りだらけ、牛三千五百頭。 あのバイデン大統領がパンツを下ろし、紅いお尻をプリンプリン、岸田総理の真っ白いお尻とペッタンコ、紅白ケツでガツーン!と目出度い穴会わせ。 おい!おい! このコーナー日本の想像百景当選だぞ! 超モテモテ男は、可愛い娘がパンツを下ろし、お尻をプリンプリン取り囲む。 おい! いきなりぶちかませたらあかんぞ。 パンツを下ろし、儀式をペッタンコ。 ちなみに、超モテモテ、ワシの周りは尻だらけ。 パンツを下ろし、ペッタンコ。 ?? 感触が違うぞ・・ 牛だ! 牛だーー! 思いっきり股間を蹴られ、虫の息・・・ た・す・け・て〜? 牛憲法第一条・・ 例え牛 合意が必要 穴触り・・
f1188 スケベーじーさん
南の島には、個性豊かな老人達が多い。 自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。 水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。 あんたは肌が白い、顔立ちにも気品がある、京都の生まれであろう、とかなんとか言って、話しかけていく。 観光客も、明らかに島のじいさんだと言う事が分かるので、別に拒否反応も示さず、また南の島ゆえ開放的に色々な話をして過ごす。 じいさん、毎日若い女の子のケツを追っかけ、ばあさんにやきもち妬かれないのか、と聞くと「あはー ばあさんは、とっくに死んだよ」 おい おい 生きている人を殺すなよ! ばあさんが死んでいたら、あんたはとっくに死んでいるよ! このじーさん、ボケているのか、ばあさんが世話しなければ、生きて行けないはずだが、脳内プログラム、三途の川、いや海の景色を楽しんでいるようだ。 ワシは若い娘たちから、パワーをもらっているから元気でいられる、と本気でしゃべっている。 そのじいさんがニコニコ笑って、おい! ひかる、この島は格が上がったぞ、と言う。 よくよく話を聞くと、以前は観光客に年寄りが多かった。 しかし最近では、若くてしかも美人だけが、こぞって島へ訪れるという。 だからこの島の格が上がったと、じいさんは主張するのだ。 確かにここ数年で、この島へ訪れる観光客は、若い女の子の比率が格段に上がったことは事実である。 この地区は今、離島観光ブームでかつてない程、沸き上がっている。 石垣市を中心として、黒島には毎日15便ほどの往復便がある。 この島より少し小さいが、竹富島は文化財に指定され、牛車での島めぐり、赤い瓦屋根、道路などの景観が観光客に大人気。 黒島の3倍以上、毎日50便が、石垣島から観光客を運んでいる。 隣の小浜島は、黒島よりちょっと大きいが、NHKの朝ドラちゅらさんドラマの舞台となって、その島も、毎日33便くらいの往復便があり、観光客で沸きかえっている。 また、隣の西表島は、東洋のアマゾンと呼ばれるだけあり、沖縄本島に次ぐ2番目に大きな島であるため、そこも、石垣島より、40便前後の船が往復している。 また、船の大きさも、定員数も格段に違い、黒島便は小さな船が15便しかないということは、いかにこの島が観光地化してないかということが分かる。 また竹富島や小浜島、西表島などは、ツアー観光のコースに取り入れられている。 黒島は民宿の数も少なく、大勢の団体が来た場合、トイレや休憩所など、とても対応できない。 石垣島の離島桟橋で見ていると、三角の旗を持ったツアーガイドが、大声を張り上げ、ムカデのごとく、竹富島や小浜島、西表島などへ渡っていく。 水着に飽きる? 若い人達は、どうしても中高年、団体客、ぺちゃくちゃ食べ、スピッツの如く、しゃべりまくるあの集団には、辟易するようだ。 よって若い観光客が、締め出される形で、今度は黒島へ押し寄せる。 だからスケベーじーさんの言う通り、海岸へ行くと、若いピチピチしたギャルたちが、ごろごろいる。 この島で2、3年も生活すると、誰でも水着に飽きてしまう。 海のない、あまり水着に出会える機会の少ない人達から見ると、嘘だろうというかもしれないが、マジな話だ。 シーズンになると、水着での集落内歩行はやめましょう、との立て看板も熱いので守れない。 また、格安航空券も国内で一番長い距離があるため、割安感があり、東京の人が軽井沢、箱根や伊豆半島へ出かけるように、この地区へ人が集まる。 南島楽園、まだまだ続くようだ。
f1181 半ボケ
皆さん、ハートアイランドご存知ですか。 沖縄本島から南へ450キロ。 周囲12キロという、ものの見事にハート型をした、小さな島がある。 黒島で、別名はハートアイランドと呼ばれている。 この島に年齢は80歳を越した、いまだに独身の一人の爺ジーが居る。 頭は完璧にツルツル、ツルッ禿げだがその分あごヒゲはもじゃもじゃ。 目は人一倍小さい。遠くから見ると、どう見ても顔が上下逆回転だ。 いつも短パンにランニング姿で、腹がポッコリと出ている。 年のせいか、半分ボケが入っている。 足腰は意外と丈夫で何時も自転車を乗り回し、昼間から島中を徘徊している。 見晴らしのいい、休憩所などで観光客がいると誰かれ構わず、「何処から来たね〜」と声をかけ回る。 爺ジーは若い頃、20年程大阪で仕事をし自分の生まれ育ったこの島へ、ふらりと単身戻って来た。 観光客が名古屋から来たというと、私は20年間名古屋で住んでいたといい。適当に話を合わせる。 別な観光客が、仙台から来たといえば自分は20年間、仙台に住んでいた事がある、と良い加減だ。 毎日が徘徊と、想像の世界である。 顎鬚は見事、そして笑顔が子供のように愛らしき、いつもニコニコしている。 観光客は、半分ボケているとは誰も思わない。 最近島に、外人観光客が増えてきたが、育造爺ジイーは果敢に挑戦する。 「何処から来たね〜」と聞き「スイスから来た」というと、私は20年間スイスで生活していたと始まる。 エッフェル塔の眺めは、素晴らしい。上ったことあるかい。 ゼラシックパークという公園では、昼間からよくも、若者がチュウチュウ、キスをして恥ずかしくないのかね。 ・・・・??? 話は全く通じない。 また別の外人を見つけ、何処から来たね〜、と始まる。 イギリスから来たというと、私は20年間イギリスに住んでいた事があると始まる。 セーヌ川の高台の高級住宅街、知ってるかと得意になって話をする・・・・??? 話は全く通じない。 とうとう育造爺ジイーは外人と話をする事を止めた。 その点を聞くと「あいつら、バカだよ」 こんな小さな島へ流れ着くような外人は、学校なんぞ出ていない無学文盲だ。 育造爺ジイーは、芯から怒り出す。 今日も育造爺ジイーは自転車で徘徊をはじめる。
f1177 天空橋
まったく使われていないが、滑走路を思わせる訳の分からない、とてつもない長い桟橋がこの黒島には残っている。 周囲12キロ、海抜12メータ、平べったい島の規模からすると、昔の人のやる事は分からない。 昔の出来事、車や重機も無く、すべて人力。超大型台風となると、風は勿論半端でない波が打ち寄せるが、それにも耐え残っている。 島の古代人のエネルギーはエジプトのピラミットに負けないぞー 橋の先端で夜中、日本の南端、ハートの島、天の川を眺め彦星、織り姫に思いを走せ流れ星に願いをかける・・ 最高のデートスポットではないだろうか・・ ちなみに作曲家が見ていれば、この場所は明け方、干潮時、波の音も無く虫の音も無い。 勿論車やエアコン風の音等無く、完璧な無音状態が体験出来る場所でもある。 ギターを抱え訪れる大者アーティストがいるが島の人は知らないようだ。 源一じいさんは、夫婦で20頭程の牛を飼っている。 夏休みに高校生の孫を、島へ呼び寄せる事を一番の楽しみに、セリで牛が売れると少しずつ貯金をし、指折り数え待っているのだ。 昨年、じいさんは思いきって牛舎をトタン屋根で組み上げた。 完成した矢先、9月に30年ぶりと言われる超大型台風が島を直撃。 じいさんが組み上げたトタン屋根は、みごと飛んでしまった。 がっかりしたが気をとり直し、飛んでしまったトタン板をリヤカーを引っ張り、拾い集め、木のハンマーで叩き直し、再度組み上げたのである。 道なき原野をリヤカーで回り、トタンを集め作り上げた牛舎に、みんなが拍手喝采だ。 ところが一年経った今年9月、また昨年に続き、超大型台風が島を直撃。 源一じいさんの作り上げたトタン屋根は、あっけなく吹き飛ばされてしまった。 じいさんは諦めない。再度リヤカーを引っ張り、トタン板を集め、また木のハンマーで叩く。 80歳の年寄りが一人で屋根に上り、ロープでトタンを釣り上げ組上げていく。 その執念には周りもびっくりした。 ところが、ところがである。 やっと組み上げた突端、10月6日にまたまた超大型台風が島を襲ったのである。 当然、あっという間にまたトタン屋根は吹き飛ばされてしまった。 80歳の高齢だ。 周りも声のかけようがない。 手助けを申し入れても、源一じいさんは、決して頭を縦に振らない。 3度ある事は、4度ない、とまたまたトタン板を拾い集めている。 もうトタン板は、屋根の役をなさない。 やめた方が良い、と言ってやりたいところだが、じいさんは意地なのかやり遂げる。 来年も台風は来るだろうに・・・ おばあちゃん、決して咎めるでないぞ。 きっと来年の夏休みには、孫が島へ来、おじいちゃんの肩を揉んでくれる事だろう。 それにしても80の年で屋根に上り、一人でトタンを引っ張り上げ組み立てていく。 牛飼い魂は、見上げたものである。 誰にも真似出来ない事だ。
1181 半ボケ
皆さん、ハートアイランドご存知ですか。 沖縄本島から南へ450キロ。 周囲12キロという、ものの見事にハート型をした、小さな島がある。 黒島で、別名はハートアイランドと呼ばれている。 この島に年齢は80歳を越した、いまだに独身の一人の爺ジーが居る。 頭は完璧にツルツル、ツルッ禿...