2025年7月18日金曜日

1067 鼓動は泣きません


これから先、何十年間、動いてくれるのだろうか・・

きのうも、明日もご苦労さん!

どんなに、どんなに辛くても。

泣く事、知らない鼓動さん。

打ってみせます、淡々と・・

淋しがり屋の、精神さん!

泣き虫、弱虫、飛んで行け!

そうです、我々の精神は、淋しがり屋で、泣き虫です。

しかし、鼓動は泣きません。

しっかりとした足取りで、辛かろうが、嵐が来ようが、淡々と打ち続け、精神も一緒に頑張ろう、と元気ずけ、導いてくれる事でしょう。

人は、一人ぼっちだと思うから、辛いんです。

寂しいんです。

愛する人を失い、生きる事すら辛く寂しい時、貴方を命ある限り、励まし続ける・・

そうです、頼りになる味方が、身内にいたのです。

生涯の伴侶が、出来たのです。

現時点でスタートする鼓動や、最後の一鼓、役目を終わる鼓動あり。

例え五十億個の一つでも、響きに無意味はなく、人種や貧富、男女や宗教の差別や区別なく、全ての人に平等に脈打つこの鼓動。

生き延びたい、と願いながらも、飢え等で消えゆく命を見る時、何のために生まれて来たのか。

人間として最低限、鼓動を維持出来る食糧が、確保されるべきではないかと、考えさせられます。

命の誕生、精子と卵子が合体した時点で、鼓動はスタート。

細胞分裂で肉体が育まれ、その上に精神が芽生え、一人の人間として成長。

そして人々は、己の分身、証として新しい命を引き継いで行きます。

しかし、鼓動が停止した時点で肉体は滅び、精神は、瞬時に消滅する。

鼓動は、万人平等に与えられた最大の宝。

何故、脈打っているのか?

止まる前に、何をなすべきか?

今一度、人間の"命の原点である、”鼓動”と言う側面から己自身や人生を見、物事を見定める必要があるのではないだろうか。

人々が、人種や国境を越え、お互いの鼓動を尊重し合い、地球全体が幸せの鼓動の響きで覆われん事を願っております。


1066 鼓動との対話


脳死という言葉がありますが、脳が死んでも鼓動は続いており、逆は成り立ちません。

不幸にして道半ば、やむなく止まる事を宣告され、残る鼓動をどう使うべきか、と思案に暮れる人生があるかと思うと、朝の目覚めに己の鼓動へ触れる時、昨夜来、全ての機能が休んでいる間も、元気に続けるこの響き。

値千金で、感謝せざるを得ません。

これほどすばらしい鼓動でも、一度止まったら終点。

例え、栄耀栄華を極め、いかなる名声を得ようとも、間違いなく止まる宿命を帯び、ただひたすら打ち続ける。

これしかなく、無意味に打たせれば、白髪とシワが増えるだけ。

しかし、精神には終点がありません。

音楽や芸術の世界、生き方など、先人達が残してくれた思想や、素晴らしい作品に、何百年後でも感動させられ、小さな事でもいい、自分の子供にだけでもいい。

何かを残せる人生を、歩みたいものです。

一人ぼっちで寂しい時、人生の嵐が襲い掛かり、苦しい時、そっと胸に手を当て、生まれた時と変わらない、清らかな響きで打ち続ける、鼓動との対話を試みてみましょう。

今まで、何十年間、動き続けたのだろうか?

精神が全てを休め、ぐっすり眠っている間も、暗闇、孤独、何のそのと打ち続けるだけ。

ひと休みしたいだろう・・

疲れるだろうに・・

1065 値千金

 

我々の日常は、朝晩寝起きし、時計は回転して元に戻り、一年が終ると、また新しい年を迎える、が繰り返されています。

人生もまた、繰り返しの連続のように錯覚しがちですが、繰り返し以外にも、子供の誕生や親との別れ等、繰り返す事の少ない事もあり、人生が成り立っています。

人生を80歳まで、生きられると計算し、80センチの物差しに置き換えて見ましょう。

物差しの10ミリを12か月単位に置き換え、仕事や結婚の経歴、上段には親の年齢で、下段には女房や子供達の年齢を棒線で記入。

この一方通行のスケール上で、家族や人生を考えると、子供の進学や成人の時、自分は何歳で、子供達と、どのような会話が必要か。

教育資金が、一番必要な時期に、どう対応すべきか。

定年時、家族の年齢や状況が、どうなっているか。

位置付けが、よく理解出来、今後の展開等、色々な新しい事が、発見出来るかと思います。

人生は不確定要素があり、完璧とはいきませんが、決して後戻りの出来ない、一方通行のスケール上で、物事を考え、

人生の目標なりを設定する事により、毎年繰り返す事柄と、五年や十年、生涯を通して貫く事が、年代ごとに計画され、

己の人生が、より良きドラマとして演出出来、かなりの精度で、人生の青写真なり、予測なりが出来るのではないだろうか。

そして長い人生を考えた場合、我々の鼓動は、一分間に七三回打つとすると、一日に十万回以上、八十歳まで生きるとして計算すると、なんと三十億回以上も打つ事になります。

体内に張り巡らされた血管の総延長と、片時も休む事なく、三十億回以上も血液を送り続け、回収する作業。

しかも酸素やビタミンなどの量を調節し、八十年も打ち続けるのです。

地球を何周するのだろうか?

生涯、どれだけのエネルギーを生み出すのだろうか?

いかに技術が進んだ現在でも、部品交換なしに八十年間、動き続ける機械を作る事は不可能。

己の持てるパワーの偉大さ、改めて考えさせられます。


2025年7月16日水曜日

 1064 ハブジャンプ

 

また、ある虫が発生すると、ある魚種が近海に集まっている、と言う虫との間違いない関連もあります。

小さな島、周りの海から吹いて来る風、虫などの情報は、生きて行く大事な知恵でした。

ひかるが子供の頃、島の収入源は、サトウキビ生産で、サトウキビは、ネズミの格好の餌。

ネズミが繁殖し、その天敵として、猛毒を持ったハブが、大繁殖していました。

ハブは、脱皮をするので、皮を見ると、どれくらいの大きさか、ハブの棲家が、どの近辺かは、子供同士の情報交換で察知出来ます。

しかしハブは、かなりの行動範囲を持っているので、常に心の準備が必要でした。

ハブに噛まれた人を数多く見、ひかるも噛まれる直前の危険な目に何度か遭い、毒の猛威は、嫌という程知り尽くしていました。

噛み所によっては、命に関わります。

昔からの知恵で、島の道には、真っ白い砂を敷きつめてあり、美観の問題は勿論、夜道を歩く時、ハブが発見可能なように出来ています。

石垣の合間から、ハブが出てきた瞬間、本能的に、ガニ股で飛び退きます。

いわゆる、究極の「ハブジャンプ」です。

これは、子供の時から、親に教えられなくても、自然に出てくる行為。

それが出来なければ、猛毒を持ったハブに、間違いなく噛まれていた事でしょう。

上京して間もない頃、歩道を横断中、なにげなしに足元を見た瞬間、ハブが現れ、思わずガニ股、ハブジャンプ!。

自転車で横を通り過ぎようとした、おじさんと、もろにぶつかり、怒鳴られました。

まっすぐ歩けば、いいだろうに!

わざと、やったんだろう!

謝るしかありません。

前方には誰もいない、すれ違う人もなく、見通しの良い歩道。

いきなり、思いっ切りガニ股で、横っ跳びに出る行為は、自転車めがけ、体当たりをして来た、としか思えないはずで、怒鳴らない人は皆無でしょう。

「ハブが出たので、ハブジャンプをしたのですが・・」と説明しても分かってもらえません。

よく見ると、ハブではなく、ネクタイが落ちており、それがハブに見えたのです。

ハブが出るはずもない、アスファルトに覆われた東京のど真ん中で、子供の頃から、命に関わる本能として覚えた、見事なハブジャンプが出てしまったのです。

改めて、ごめんなさい!

ごめんなさい!

ごめんなさい!

(黒島は今、ほとんど牧場となり、ネズミも激減、そのため、ハブもほとんどいません)

 1063 怒鳴られる

 

ハブの性器は、メスには二つ、オスには四つあります。

数が合わないので、疑問に思いますが、オスの性器は、ペアになっており、しかもイボイボ状。

ペアでメスの性器へ挿入し、交尾。

蛇体は絞め縄の如く、もつれ喰い込み、飲まず食わず、執念深くエキスをむさぼりあう。

その姿はすさまじく、犬や牛馬の交尾とは比較にならず、ゾクゾクとさせられます。

しかし、ハブは害のみにあらず。

初夢にハブを見ると、大金が転がり込む、金運の女神、とも言われています。

興味は、海へも向けられます。

魚のヒレに切れ目を入れた場合、まともに泳げるか実験。

必死に、尾ビレで舵を取るにも、ほろ酔いチドリ泳ぎ。

残酷な事をしてしまった、と後悔させられました。

ある時、父が空を見上げ、急に、今日は、ハトッシ(方言魚名)が、大量に捕れる日だと、漁へ出かけ、間違いなく、言った通りの魚種を捕って来るのを目撃。

陸に居ながら、何んで海中の魚の事が分かるのだろうか?

不思議に思い聞くと、風で感じるとの返事。

魚の臭いがする訳でもなく、どうしてだろう?

再度尋ねると、海から吹いて来る風の温度で、北上する黒潮の水温を体感。

近海を、どの魚種が回遊して行くのか、当てるとの事である。

1062 画 ガニ股

 


ガニ股。

 1061 似た者同士

 

子供の好奇心、色々な事に、疑問を感じます。

ひかるは、野生のハトを生け捕り、飛べないよう羽先を切り、ニワトリ同様、飼い慣らそう、と実験。

難なく飼い猫に食べられてしまい、小さなウズラですら、野良猫に襲われても逃げ切れるのに、何んでいとも簡単に食べられるのだろうか、と考えさせられました。

やはり、空を飛ぶ鳥は空で生き、たとえ小さなウズラでも、地上で生きる代々の知恵が備わっているのだなぁと感心。

また、大空を飛び交う、ひばりを観察すると、巣へ入る時、直接巣には入りません。

わざと別な場所へ降り、茅の根を這って近づき、巣に入ります。

直接巣に入ると、カラスに巣の場所を狙われ、卵や雛を食べられる為、知恵を使っているのです。

しかし、巣から出る時は、直接飛び立ちます。

頭隠して、尻隠さず、の格言通り。

やる方もやる方、気付かない方も気付かない方。

どちらも、似たもの同士。

間抜けな鳥もいます。

ニワトリを野生化させた場合、卵を産む度に、必ず喜びの大声を「コケコッコー コケコッコー」と上げます。

カラスはその大声で、卵が生まれた事と、巣の場所を確認、労せずして、栄養満点な卵を頂戴。

ニワトリの馬鹿さ加減は、見て居られません。

他にも無責任な鳥がいます。

野生のハトは、人間に見つからないよう、細心の注意をし、場所を考え巣を作ります。

野生のハトの巣を見つけるのは、容易ではありません。

一度、人間が巣を見つけ、近づいた気配が感じられると、警戒し、二度と巣には戻りません。

多分、人間の匂いを感じるのでしょう。

我が子より、我が命を大事にする、臆病な生き物。

普段は、楽しく飛び回っているスズメやひばり達、台風の時どうするのだろうか。

台風を避け、遠くへ逃げるはずは無い。台風を避け、数十キロ先の島へ逃げ、翌日その島へ舞い戻って来る事は、とうてい考えられません。

それが証拠に、台風が過ぎ去った翌日には、元気よく飛び回っているのです。

その疑問は解けました。

小鳥達は、危険が迫った時、岩穴で台風が過ぎ去るのを、じっと待っているのです。

彼らは、どうしたら尊い命を守れるか、心得ていたのです。

我々も、小鳥の生き方に見習うべきではないだろうか。

時代のうねりや大きな組織力で、一人で立ち向かっては、どうしようもない事が、しばしば身に振り掛かります。

何も一人で立ち向かい、尊い命を落とす必要はなく、厳しい嵐が自分に振り掛かった時、岩穴でじっと時を待ち、思案する事も必要。

嵐が通り過ぎた時、思いっ切り行動に出ましょう。

1171 偽ミンク

  この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。 一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。 立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。 カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着ているのか。 ヤマトウ嫁が民宿をや...