2025年8月1日金曜日

 1162 トウージ

 

この島の方言を見ていると、突然変異みたいな訳の分からない方言が時々出てくる。

豊年際にハーリー競争が昔からある。その船のかじ取り役は重要である。

かじ取り役のことを島の方言では、トウージーという。

なぜかじ取りが、トウージーなのか?

日本の言葉でいうと、統括、統治に当たり、つながるのではないかと思う。

統治が、トウージーになったのではないだろうか。

その昔、この島には、あまりものを書くという習慣がなかったのに不思議である。

昔から続くこの島のハーリー競争は、かじ取りが絶対の権限を持っており、完全に統括している。

言うなれば統治者が、トウージーになっているのだろう。

また女房、妻を、なんと言うかというと、トウージーのハイホンを2つとった、「トゥジ」と呼ぶ。

トゥジ(妻)は、家庭を賄い、やりくりする、言うなれば、家庭の統治者だ。

よって、トゥジと言われるのは、当たり前である。

友人のことを、島の方言では、ドゥシ、と言う。

友達という、複数、総称する場合は、普通、島の方言では、ERがつくが、この友人には、それが付かない。

友達は、ドゥシンキ、という。

この友達という、ドゥシンキは、他の方言と共通しない、変わり種だ。

この言葉がどこから来たのかわからないが、もしかすると、アフリカの山奥で、友達のことをドゥシンキ、というような所があるかもしれない。

渡り鳥が、その言葉をくわえ、島へポコリと落としていったかも?

種子が島で根付き、しっかり島の言葉になったような気がする。

友達の、友達は、みな友達だ。

ドゥシンキの、ドゥシンキは、みなドゥシンキだ。

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