ひかるが上京して数年後、帰郷する。
再度上京時西鹿児島から東京まで列車移動。勿論金がないので寝台車など使えるはずは無い。
生まれ育った島が直径三キロにも満たない小さな島育ち、周遊道路は十キロにも満たない。
西鹿児島から東京まで、寝ても覚めてもガタンゴトンと走り続ける。ひかるが心底ど肝を抜かれ、恐るべきことは列車の枕木であった。
誰がどうやってこの枕木をこれだけ多く用意して作ったのだろうか。
線路は自分の列車だけでなく複数線あり都市部に入るとさらに増える。
最初は試しに隣の線路の枕木を数えてみたがとても数えられなかった。
日本人の技術は恐るべきものがあると心底感じたのである。
電車を利用している皆さんはそのようなことほとんど感じないかもしれない。
小さな島で育ったひかるにとって、大きな発見であり疑問であった。
前記した通りビデオ信号の編集にはこの枕木の原理が利用されたのである。
映像信号は1秒間に30枚、枚数ごとにタイムコードと呼ばれる信号を入れていく。
10分間あるいは30分、1時間、2時間、3時間のタイムコードの数を計算すると分かる。
ひかるが初めて電子編集にとりかかった時、この枕木の数と原理がタイムコード枕木にリンクされ応用方法が考え出されたのである。
VTRのストップスタートを繰り返していくとタイムコードはズレる。昔テレビのVTR画像がビロ~ンと上から下に流れた。
解決策として1時間テープを30本なり50本、映像を記録する前にタイムコードを完璧に入れておく。
そこに映像を一枚一枚はめ込んでいけば、ストップおよびスタートを繰り返してもタイムコードはズレることはない。電車の枕木の原理が映像信号に使われたのである。
このような発想をする人はひかる以外にはいないだろう。
大量のテープにタイムコードを手作業で先に入力する。
その後に映像信号を入力しデジタル編集をする、アナログ作業とデジタル作業を並行させるデジアナチャンプルー方式。
この方式は次の新しいアイディアが出て来た為ほんの一時期であった。
殆ど気がつかないが、テープをストップした時映像信号は空で黒味、30コマほどタイムコードを記録してストップさせる。
タイムコードを30個分巻き戻して映像が黒味の所から次の映像信号を入れ、タイムコードはロックさせていく。
機械的にやる為ストップスタートを何回繰り返してもタイムコードがずれることはない。
アメリカNASAが衛星偵察用に開発したVTRは幅が2インチで5センチ8ミリが横に流れ1秒に1枚、縦に1本ずつ線状に記録されています。
編集は線を一本ずつ縦に顕微鏡で見ながらカミソリで切り裏面で張り合わせる。
CMで5秒単位で5枚継ぎ合わせる作業は無理で、出来たとしても1時間テープはかなりの重量があり、高速の早送り巻き戻しで切れます。
日本方式は1インチ。2.54センチ幅が横に流れ斜めに記録、記録密度は2インチに迫ります。
あっという間に世界制覇していったのです。
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