離島で子供が生まれても、昔は栄養が行き届かず母親の乳が出ない場合があった。
勿論、粉ミルクは無く冷蔵庫もない時代。
そこで、ヤギの乳を頂く、そうやって島の子供たちは育ったのである。
光男も母に3軒の家からヤギの乳を頂いたと言われた。
だから3軒の家のヤギ様には感謝しなさい、と言われた。
よって恩返しのため、物心ついた時からヤギを飼わされ、一生懸命ヤギの草を刈ったもんだ。
そしてその3軒の家に子供が誕生した時には、私の飼っていたヤギの乳を恩返しするということだ。
光男がこうやって生きていられるのも、ヤギ様のおかげで神様である。
領土で中国と揉めている魚釣島、野生のヤギが生息しているが、この地区の人が昔住んでいた証だ。
皆さん無人島で住む場合、女房と必ずヤギ様もオス、メス同伴が条件。不滅の鼓動だ。
ヤギ様恩返し草刈り生活の中で、こんな不思議なこともあった。
ある小雨の日、牧場をやっている青年が我が家へ来た時のんびり喋っている。
牛の草は刈ったのかと聞くと、牛は濡れた草は食べないという。
?
それでは雨が降った日はどうするんだと聞くと、干し草を食べさせるとのことだ。
初めて聞いたが牛は刈った草、どんな新鮮な草でも雨に濡れていると食べないという。
枯らした草、干し草なら食べるとのことだ。
勿論、生えている草なら雨に濡れていても食べるが、刈って雨に濡れた草は刈りたて、新鮮な草でも食べないという。
本当なのだろうか?
この島の牛だけが贅沢な生活をしているのか?
なんで新鮮な草でも、雨に濡れたら食べないのだろうか。
生えた、雨に濡れた草は食べるのに。不思議である。
牛飼いさ~ん、教えて。
島のじいさんが、おしゃべりにきた。
泡盛とサバの缶詰で飲んでいると、ハエがうるさい。
このハエ何とかならないのかなぁというと、8時半まで待てよという。
訳を聞くと、ハエは8時半になると就寝の時間だという。
言われてみて初めて気がついたが本当に8時半になると、ありゃりゃ、ハエがピタリといなくなった。
島のハエは夜8時半就寝だそうだ。
島の人たちは行動時間が夜型だ。
9時10時から平気で飲む。ハエの時間を考え行動をずらしているのだろうか。
島の生き物たちのルールに合わせて暮らすのは、案外知恵が必要なものだ。
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