まったく使われていないが、滑走路を思わせる正体不明の威容を誇る、とてつもなく長い桟橋がこの黒島には残っている。
周囲12.6km、海抜15m、平べったい島の規模からすると、重機もない時代、すべて人力で造られたことを思うと、当時の人々の情熱には驚かされる。
超大型台風となると、風はもちろん半端でない波が打ち寄せるが、それにも耐え抜いている。
当時の島民のエネルギーは、エジプトのピラミッドにも引けを取らないだろう。
夜、この橋の先端に立てば、天の川が降り注ぐ。日本の南端に浮かぶハートの島で、織姫と彦星に思いを馳せる時間は、至高のひとときだ。
また、ここは稀有な『無音』を体験できる場所でもある。明け方の干潮時、風も虫の音も止む瞬間、完璧な静寂が訪れる。その静寂を求めて、人知れずギターを抱えて訪れるアーティストがいることも、島の人はまだ知らない。
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