昔々、南の小さな島では若い男女の巡り合いは恋愛やお見合い等ではなく、夜這いが結びつきの大きなきっかけであった、と曾祖父が話をしていた。
今では想像もつかない面白い話がある。
小さな島に高島吉蔵、91歳のおじいちゃんがいた。
ばあちゃんは90歳で名前は郁子。
声と体が一回り大きく別名イッコと呼ばれ、
子供はおらず仲の良いおしどり夫婦。
祭りや行事等を先導、周りから信頼され羨ましがられていた。
おじいさんは年のせいか妄想なのか、あらぬ事を口走るようになった。
家で晩酌をしながらイッコばあさんにポツリとしゃべった。
なんと島一番の大金持ちで船を持ち船会社を経営している50歳前後の新一の母親、大友良江に昔夜這いを仕掛け、できた子が新一だ。
バリバリ働き者で若かりし頃の俺に似ているであろうと褒めちぎり自慢をしたのである。
さあ大変なことが起きる予感。
島には飲み屋もなく祭りや結婚式や長寿の祝いなど島中の人が集まりストレス発散派手に賑う。
そこでイッコばあさんのストレス、ヤキモチが炸裂したのだ。
新一の母親良江の髪の毛を鷲掴み、淫売女、泥棒猫、どうやって亭主を受け入れた。
よくぞしゃーしゃーとした顔をしていられる、と噛み付き祭りは修羅場と化した。
島中の話題でびっくりしたところだが、この吉蔵じいさんはまたあらぬ事を口走るのである。
郵便局長、五十がらみで一番やり手の男だ。
実はこの裕介の母親下村陽子、若い頃夜這いを仕掛けてできた俺の種だ。
またあらぬ事を口走ってしまったのである。
これまたイッコばあさん大変だ。
島育ちの青年が成人式で、島中の人が集まってのどんちゃん騒ぎの祝いの場。
裕介の母、陽子に馬乗りバトル、島人の祝いの場の楽しみが修羅場と化し台なし。
話はここで終わらない。
吉蔵じいさんはあの診療所の息子、則夫の母親山城京子に私が若い頃夜這いを仕掛けてできた子供だと。
三度あることは四度ある。
今度は四人のタッグマッチ、女の戦いは恐ろしい。
祭りは全て中止。呪いが祟ったのか吉蔵じいさんは亡くなる。
これで一件落着と思いきや、今度はイッコばあさん、三軒へ乗り込み雀の涙の香典では済まない。
実の父親の香典だと、香典揺すりをはじめたのである。
それにしても痴呆症や物忘れ、妄想などあるが三途の川を渡る手前の出来事は気を付けて欲しい。
島人の願い「和田アッコさ~ん、アッコにおまかせしたーい。この無茶苦茶、解決して」
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