そして、少年の求めた魔法の箱は、当時の状況下、あまりにも大きな夢でした。
好奇心旺盛な光男少年は、諦めることなく、心に秘めて上京するにも三千円の家賃さえ遅れがち。
オーバーが買えない初めての冬「沖縄だってね~ 死んだ亭主のオーバーだから着な、家賃は出世払いでいいよ!」と励まし、慰めてくれた大家のおばちゃん。
オーバーを着た時、湯気が出る程ぽかぽか暖かかったのは、一生忘れられません。
トラックの助手時代、寮費は心配するな、と声をかけてくれた社長。
卒業時、「決して悪いようにはしない、我が社に留まれ!」と言われましたが、どうしてもテレビの世界を求めたいと丁重に断りました。
苦しい中で初めて鼓動に触れ、自分にとっては夢を追い続けるしかない!
たとえ苦しみが続こうとも、進むしかない、と言い聞かせ、自らの手で全国へ映画を放送した時、思わず流れ出た歓喜の涙は、生涯忘れられません。
そして、人は誰でも、夢を見ます。
夢があるから、喜びがあるんです。
初詣の人出に、大勢の人達が幸せを願い、夢を追い求めている姿が見られますが、神に祈るだけで、夢は実現しません。
幸せにも、なれません。
では、幸せとは、何だろうか。
やはり40年を通した中から、夢を、己のドラマ、ロマンとして展開した人生を体験することが、幸せの一番大事な要素ではないだろうか。
小さな夢でも、それを追い求め、努力するからこそ、汗や涙に価値がある。
己のドラマとして展開することが幸せの出発点で、体験をした結果として、幸せが感じられるのです。
まぐれや奇跡を当てにしているような人生では、あまりにも心細い話でしょう。
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